KIOZ企業情報管理システムを導入したある企業の日常業務風景をシュミレーションしてみました


自社物件マンション販売を手がけている不動産販売会社X社の例では



営業部員A氏のハードな一日

A氏にはノートブックパソコンとスマートフォンが会社から支給されている。
ノートブックパソコンは社内使用と客先でのプレゼンテーションに活用。
ノートブックパソコンにはドキュメントフォルダが無く、会社ネットワークに接続してはじめてドキュメント参照できる。
前日は新築マンションの営業で夜間訪問がありそのまま直帰。

出社
ノートブックパソコンを社内ネットワークに繋ぎ、スマートフォンをパソコンに接続する。
ドキュメントフォルダをあけ、前日の営業日報を書き上げる。
スマートフォンで録音しておいた営業折衝レコードをパソコンにアップロード、自動でサーバのドキュメントへ転送される。
契約内容の取り決めなど結構重要な記録となりそうなので、ドキュメントからキャビネットに登録しておく。
社内連絡を使いキャビネット登録したことを営業部長に報告。

メールを確認
担当している顧客から、買い替えによる預かり物件の改装記録がエクセルファイル添付で届いている。
社内連絡を使い営業グループ全体の共有データとして登録、メールモニターからメールレコードをエクセルファイルごと添付。
部長から管理を委託されている病気療養中の同僚宛メールを確認しておく。

施工業者から、引渡し日が迫っている営業担当物件の床材に亀裂が生じているとの電話が入る。詳しく状況を確認する。
自分の職権では対応を指示できないので部長に報告 部長は電話モニターで会話内容を再確認。
部長から取りあえず工事部を連れて現場を見てこいとの指示を受ける。

今日のスケジュールを確認
午前中に、外せないアポイントが入っているため施工業者との亀裂確認は午後一番と決定。その旨先方へ連絡する。
工事部に内線連絡。現場での待ち合わせを調整。

外出準備
プレゼンテーション予定がないため、スマートフォンだけ持って出ることにする。

今回は営業車で外出
スマートフォンのSIP電話を確認、GPSアプリをスタートさせる バッテリー消耗を考え営業車から充電兼用で使用する。

第一訪問先で業務遂行
昼食、休憩を挟んで床材に亀裂が生じている現場で工事部員、施工業者とミーティング。
亀裂現場の写真及びビデオをスマートフォンで撮影しておく。
ミーティングの途中に、住宅金融公庫融資を申し込み中の顧客から会社に連絡がある。
営業部の受付は内線通話として顧客の電話をスマートフォンへ転送する。
顧客の通信料負担は会社までで、内線通話は会社のパケット定額内になる。当然通話記録される。
顧客との通話終了後現場に戻って打ち合わせ再開。
最終判断は営業部長の指示でということで現場を離れる。

帰社
GPSソフト停止。
スマートフォンをノートブックパソコンに接続。
撮ってきた写真とビデオデータをドキュメントフォルダにアップロード。サーバのドキュメントに自動転送。
営業部長に報告 部長はサーバのA氏ドキュメント参照で写真とビデオを確認しながら状況判断。
営業部長は工事部長へ内線電話で連絡。
営業部長は営業部内処理で片付くと判断、A氏に対処法指示。
会社の決定事項として施工業者に電話で指示、当然通話記録される。

過去に担当した顧客の一人から物件へのクレームの電話がある 辛抱強く丁寧に対応するが埒が明かない。
取り合えず訪問して対応と言うことで了解を得るがどうやらモンスタークレーマと思われる。
営業部長に口頭で報告。
営業部長は通話内容を電話モニタで確認後、管理部、弁護士と共同で当たることに決定し、管理部長宛に社内連絡を起票、
通話内容も添付する。
ついでモンスタークレーマへ辛抱強く丁寧に対応したA氏の労をねぎらう。

明日、病気療養中の同僚が担当している顧客への代替営業を行うための準備を行う。
営業部長に申請し、アンケートアプリケーションの営業予定客のアンケートデータを参照可能にしてもらう。

参考
X社の場合、新築マンションの営業情報は、多大な広告費を使ってモデルルームへ導いた購入予定者アンケートが殆どを占め、その社外流失は 非常に痛手となる。だからといって、円滑な営業活動のためには規制を強めすぎるわけにもいかず、情報管理の運用テクニックを一番に問われる ことになる。当然こういった性格の社内情報は安易な共有で運用してはならず、情報マネージャが配分をコントロールすることで漏洩リスクを分散させることが最善の策になる。またノートブックコンピュータを使用する場合はその紛失や盗難による情報漏洩を防御しなくてはならない。 ウィンドウズで例えるなら各PCのマイドキュメントをローカルサーバにマッピングしてしまえば少し不便さは感じるが漏洩リスクは激減する。 同時にバックアップを自動で実行したり、ドキュメントの一元管理が可能になる。デスクトップPCに対しても同じである。社内からのクラウドサービスやソーシャルネットワークサービス利用を制限して、データの安易な社外持ち出しを規制する必要もある。社外からのリモートアクセスを許可制にし、社内ネットワークに管理者からの許可の無い端末は一切接続させない。後はPCサイドでのリムーバブルメディアへのコピー、 プリントアウト、スクリーンキャプチャを管理すれば、大半のコンピュータシステムによる情報漏洩リスクは消滅する。しかしコンピュータセキュリティには絶対安全という文字は無く、安全策を施す度に不便さが増し、設備や管理のコストが上がってくる。中小企業では特に、現実の業務形態に照らし合わせセキュリティの落としどころを模索する必要がある。

業務の締めくくりとして今日の営業日報を書き上げる。
簡易位置情報のルート表示を確認、日報と差異がないことを自主確認する。
ついでに気になる同僚の営業軌跡も覗いておく。
今日は直帰ではないのでノートブック、スマートフォンは持ち帰らない。
この会社では仕事の持ち帰りは上長の許可が必要で、許可の無い社外からのリモートアクセスも禁止されている。

定時退社
A氏の独り言
今日は定時で業務終了。最近では夜間訪問日以外の定時終了がやたらと多くなっている。
勤務時間内の業務効率が上がっているためなのだろう。
その分プライベートに割ける時間が増え、残業代を当て込んでる先輩には悪いが、とても有難いと思う。




営業アシスタントB子さんのレギュラーな一日

B子さんにはデスクトップコンピュータと卓上SIP電話機が支給されている。
デスクトップコンピュータにドキュメントフォルダは無い。
出張手配や通販購入担当なのでインターネットアクセスが許可されている。
営業部長から情報マネージャ権限の一部を委託されている。

出社
ファックス着信アイコンが点灯しているのでドキュメントを確認するが、営業部関係の通信でなく事務機屋の広告だったので
社内ルールに従い放置。
部長がマーキングした全国紙及び業界紙の紙面をイメージスキャナで取り込んでおく。自動でドキュメントに転送される。
営業部共有の社内連絡を起票しタイトル、コメントを記入、ドキュメントからスキャンデータを添付する。

前日の営業部員全員の日報と簡易位置情報のルート表示の整合性を確認する。
メールモニターで営業部員宛メールの相手先名チェック。気になる相手先名もないのでざっと見て終了。
電話モニターでもメールと同じように相手先名チェック。今度はうるさ型の顧客名を見つけたので内容をモニターする。
トラブルは無い模様。

営業部員C氏へ顧客から電話。営業で外出中。転送しても出れない様子。スケジュールを確認すると出方で会議中。
顧客にその旨通達するが、先方は担当などお構いなしに色々と用件を話してくる。
一応一通り相手になってから、後程担当から連絡させる旨を伝え了解を得る。
それ程緊急を要することでもないと判断し、社内連絡に概略を記載。
取りあえず「直に聞け!」とばかりに通話データを電話モニターから添付。

スケジュールを見ながら部長の出張手配をやっておく。インターネットから航空券とホテル予約を行う。
次いで出張先へ到着予定時刻の連絡をする。
出張先はアドレス帳に記載されているので画面リンクからワンクリックコールで電話できる。

昼休み
今度の連休を延長して海外旅行しようと計画、有給消化による休暇申請を出すことにする。
休暇申請書類テンプレートをキャビネットからダウンロードする。
デスクトップのアプリケーションで内容を記載する。
稟議申請のシナリオリストから営業部休暇申請を選び、休暇申請書類を添付する。この申請は下級シナリオの部類になる。
申請ボタンを押し、申請手続き開始。部長のところに申請決裁表示が現れている。
不許可の場合差し戻されてくる。その時は強談判か泣き落としとの決意を新たにする。

午後は営業部員の経費清算、電話応答、アンケート情報のデータベース入力に追われる。

あっという間に退社時間になる。

定時退社
B子さんの独り言
この会社に来るまで不動産業界ってもっとラフで崩れたイメージがあったけど認識不足だったかもしれない。
少し堅苦しい感じはあるけどみんな真面目に効率よく働くし、何よりフェアな感じがするのが良い。
だが海外旅行はどうしても行く。



総務部長のとてもハードな一日

総務部長にはデスクトップコンピュータとスマートフォンが会社から支給されている。
デスクトップコンピュータにはドキュメントフォルダが無い。
卓上SIP電話機と緊急避難用一般電話機が机に鎮座している。
部として組織されていないが業務的には経理部長、人事部長を兼任している。
恒例行事の「死の年度末決算」が目前に控えてる。
大手商事会社との販売提携や金融機関からの円滑な資金調達準備のため、企業統治ルールによるコンプライアンスの実施を
スタートしている。
同時にステークホルダへの説明責任、ディスクロージャの形作りを模索中である。

出社
メールの確認
取引銀行の支店長が交代し、新任の支店長が挨拶のアポイント。社長面談をリクエスト。
社内連絡で社長に通達。概略を記載し、メールレコードをメールモニターから添付。
未だ紙媒体の新聞各紙にさらっと目を通す。業務に関する情報をピックアップしマーキングする。部下にスキャン依頼。

決算承認の取締役会準備
取締役全員と監査役に社内連絡で通達。
以前は取締役会を「開催したこと」にしていたが最近は実際に開催するようになっている。
アドレス帳を開き、ワンクリックコールで顧問税理士に電話。取締役会への出席を依頼する。
社長から社内連絡、銀行面談可能とのこと。
アドレス帳を開き、ワンクリックコールで取引銀行に電話、面談了承。

稟議決済処理
各部長、社長を経由していくつかの稟議決済が回ってきている。最近取り決めた企業統治ルールに従って実行されている。
総務部は稟議シナリオの終着駅で最終確認後稟議データ保存処理、ついで経理処理に回り実際の会計を動かす規則になっている。

上級稟議シナリオである次年度事業計画案に伴う取締役持ち回り稟議が全決済を終えて戻ってきている。
アプリケーションを起動し添付書類を参照、電子署名の検証を行う。この電子署名は自社ルート認証局を起点としているため公開鍵基盤 が求める厳密さには欠けるが、現在の会社事情では十分と考えている。役員全員の電子署名が時系列通り並んでいることを確認する。
これら一連の作業はあくまで社内的ではあるが電子書類の原本性を保証し、署名者の否認を防止することを目的としている。確認後、稟議 データを保存する。この保存済稟議データがステークホルダ(中小企業の場合は主に会社オーナーと金融機関)への情報公開のツールとな る予定。本来なら社員もステークホルダなのだが、この会社ではそこまでは到達していない。

ついでにキャビネットにある総務関連のラベル構成を整理しておく。これが出来るのは現在のところ総務管理職かシステム管理者だけなので 仕方が無い。近いうちにベテランの部下である通称「春日の局」に権限を委譲することにする。

顧問弁護士から以前よりの懸案事項であった売買契約書の改定箇所について電話がある。
社内連絡を検索し「売買契約書の不備」という件名をクリック、概略を追記する。社長と管理、営業部長宛に送信。
通信レコードを添付する。

昼休み
管理職特権を使い、インターネットで釣果情報サイトへアクセス。アクセス履歴は記録されるが気にしない。
最近、黒鯛がよくあがっているということで週末に心躍らせる。

午後から「中小企業の情報開示とコーポレートガバナンス」のセミナーに出席予定である。
出かける前に来週から出社する予定の中途採用社員のアカウント登録を「春日の局」に指示する。人事関係は大奥が取り仕切っており、彼女に も社員情報登録を使える権限が与えられている。これの取り扱いはある程度の慣れが必要で、設定を間違えると知らない間に情報セキュリティ が破綻している可能性がある。当然、帰社してから一応チェックする予定であるが「春日の局」が過去に間違ったことは一度も無い。

スマートフォンを所持して外出
SIP電話の着信音を消し、ボイスレコーダでセミナー内容を録音。ビデオは使用しない。ついでに会場を写真撮影。
講習途中で居眠りしたが、後でレコードを聞き直すことにして問題なし。

帰社
スマートフォンをパソコンに繋ぎ、音声ファイルと写真データをドキュメントへ転送。
一応会社の情報資産の一つとしてキャビネットに登録。
社内連絡を起票し、部長クラス以上の共有情報として概要とキャビネット内の位置情報のみを記載。

外出中、自分宛にかかってきた電話は緊急を要するもの以外は内線転送しないよう部下に頼んでおいたので、自分宛社内連絡に留守中かかってきた 通話記録がいくつか時系列通りに追記されている。通話内容をヒアリングし、大した用件はなかったので社内連絡データごと削除する。

中途採用社員のアカウント情報を社員情報で確認。操作履歴画面も同時に参照し、やはり「春日の局」に過ちは無いと再認識。今回は社員用コンピ ュータやスマートフォンの支給が無い。研修中の営業部員は共有コンピュータと共有固定SIP電話機が与えられるだけである。この会社ではデータ ベースアカウントだけは社員一人に必ず一つ必要で、また研修社員の権限は必然的に制限が多くなっている。これで受け入れ準備完了。あとは使用法 の講習を行うだけとなる。

その後は日常のルーチンワークをこなす。

退社
総務部長の独り言
今日のセミナーで印象に残った言葉がある。中小企業も維新の時か。確かに融資制度の変化、保証人制度の見直し等を考えると金融システムがここに きてダイナミックに変化してきているし、既に不動産担保や個人保証などの古い信用制度で資金需要が賄える時代ではなくなっている。うちの会社の 実績が培った信用は大きいが、それだけに縋っていたら先細りになるのは社長も分かってる。当然、ライバル会社も同じこと考えていて当たり前だと 思う。この業界は相変わらず泥臭くて古臭い体質だけど、「先に体質改善できたものが勝ち残れるもの」かもしれないな。